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父へのガン告知

ずっと元気だと思っていた父親(76歳)に肝臓がんが見つかりました。告知すべきかどうかに始まり、この数週間は精神的に疲れました。う~む、これからがもっと大変かもね。

父は気が弱いので、最初は告知しないでおこうと家族で相談したのです。いったんは「肝硬変が進んでいるから気をつけないと」ぐらいだけ伝えました。でも、「そうか、がんじゃなかったんだ」とホッとしている姿を見て、母親が「かえってつらい。涙が出そうで、隠し通せない」と言い出したんです。

あ、途中ですが説明すると、老親は福岡県南部の小都市で2人暮らし。福岡市に私の姉がいて、私は東京暮らしなわけです。

そこで、姉が代表して告知することになりました。最初はさすがに、驚いたようすだったそうです。でも、打ち合わせ通り、姉は次のような趣旨を伝えました。

「あきらめてしまうには早すぎる。手術はものすごく大変だし、効果があるかどうかもわからないが、一度やってみてくれないだろうか。ついては、できるだけのサポートをする。福岡の病院なら、手術後も在宅ケアも整っている。田舎の家は取り払って、引っ越してこないか。残る人生を、お父さんらしく、すごせばいいではないか。好きな絵を描いたり、本を読んだり。許される時間を納得のいくように過ごしたらいいのよ」

これを聞いて、父は大泣きしたらしいです。「うまく言葉にはできないけど、うれしい。がんばってみる」と。

そして、いま、入院中です。本当はこわいのかもしれないけど、電話で話すかぎりは明るい声です。窓から見えるビルなどをスケッチしたり、本を読んだりしているそうです。

14日に手術の予定。苦しくないことだけを願っています。

 

 

 

 


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コメント 8

難しい選択ですね。
でも、実の娘であるお姉様の口からそのように伝えられたお父様は、本当に幸せな方だと思います。
人は生まれてきたからには、必ず死ぬのですよね。
自分に残された時間の長さは、本当のところ、誰も知ることはできません。
「無為に時間を重ねるのではなく、1日を大切に生きよう」と私も思います。

私も実は、今年3月に(たいしたことのない病気で)入院・手術しました。
私自身もそうですが、同室の大変そうな病気の方たちも、術中・術後を含めて入院中に「痛い」「苦しい」ということは全くなかったのですよ。
医療技術は進歩しているのだなぁと感心しました。
お父様も、きっと大丈夫。 こわくなんかないからね。
by (2006-12-09 12:34) 

けいぞう

>はなさん やさしいことば、ありがとうございます。そうか、技術の進歩を信じましょう。宇宙探索もいいけれど(きょうスペースシャトル打ち上げだったので引き合いに出すだけですが)、身近な医療のほうを優先してもらいたいですよね。おやじはずっと精神的には安定しているので、それだけはほっとしています。
by けいぞう (2006-12-10 13:43) 

桜蘭

お父様 ご心配ですね。遠く離れているとなおさらです。
私は8年前に手術をしたことがあります。術後ドクター曰く
「ついでに変なところも取っておきました。調べたらガンでしたよ!」
至って楽天的でした。
最近は病院にも行かず、すくすくと育っています(*^。^*)
きっとお元気になられるはず!!お大事にね(*^。^*)
by 桜蘭 (2006-12-10 23:01) 

ご家族が皆さまそれそれにお辛かったですね。
でも、お父様への信頼があったからこその告知ですから、きっとお父様も皆さんのお気持ちを感じて嬉しかったのではないでしょうか。
お姉さまが傍にいてくれると、けいぞうさんも少し安心ですね!
手術、成功されることを祈っています。
by (2006-12-11 10:54) 

toro

こんにちは、お邪魔します^^
お姉さまの説明内容を拝見して、私もそのように言うな~と共感いたしました。
私の義父は最期まで告知をしませんでしたが、私の母は知りたがりなので
誰よりも先に自分のガンのことを知っていました。なので周りが焦るばかり(笑)
お父様の回復をお祈りしております。
by toro (2006-12-11 11:19) 

もりけん

けいぞうさん、
きっと同じようなできごとが、われわれにも起こるのですよね。
私は、その時、どんな自分でいられるのかがとっても不安です。
気が小さくて、怠惰で、我が儘な自分が…。

お父さまが泣いたのは、うれしくて泣いた。それが素晴らしい
じゃないですか。その事態が起きたことによって、知ることができた
自分の子どもたちの気持ち。そして、そんな子どもを持つことができた
人生に誇りを感じたのだと思います。私には何もできませんが、
手術の成功を祈っています。
by もりけん (2006-12-12 01:37) 

kugna

はじめまして。
またたび村のはなさんのところから飛んできました。
私は、4年前に父を医療過誤で亡くし、
母がつい先日大腸ガンの手術をし、昨日退院しました。
ガンは本人が受けた市の検診で見つかったので、
告知も何もなかったのですが、
私を含め子供らは全員離れて暮らしているため、
「心細いから、誰か帰って来てぇ〜」ってメールが来ました。(笑)
けいぞうさんも離れて暮らしていると、心配でしょう・・・
手術の難易度は人それぞれでしょうけど、
うちの母みたいに、サクッと切除できてケロリと退院できるよう、
影ながらお祈りしていますね。
こまめに連絡して、お父様を力づけてあげてくださいね。
by kugna (2006-12-12 18:20) 

けいぞう

>桜蘭さん それはラッキーでしたねえ。ついでに見つかって、しかも簡単に取り除けたなんて! そんな話を聞くと、病院もたまには行くもんだ、なんて思ってしまいます。激励、ありがとう。

>nadiさん 励まし、ありがとう! 姉は勝気な性格で、気の弱い父とそれに似た私は「言葉がきついなあ」と思っていたのですが、今回ばかりは父にも丁寧に接してくれて、助かっています。いまはめちゃんこ忙しくて帰れないので(むこうも「落ち着いてからにしてくれ」と言うし)、1月に顔を見に行こうと思っています。遠いと大変です。

>toroさん おー、それは焦りましたねえ。でも、最近思うのは、がんといってもいきなり「この世の終わり」というわけではなくて、こうやって心の準備もできるし、考えようによっては「まし」な病気のような気がします。いつかは必ず「お別れ」が来るんだなと、心構えもできますし。

>もりけんさん ありがとうございます。まさにそこです。がんという事件のおかげで、おやじも「いい人生だな」と思ってくれたようです。実は、けっこう苦労している人なので、最終章ぐらいは幸せな気分にさせてあげたいのです。怖がりのはずなのに、電話では「なんにも心配していない」と強がっていました。ま、意外に長生きするかもしれなくて、そのときはこんなに心配したのが笑い話になりますね。

>venerdiさん はじめまして。お母様、大変だったのですね。でも、いまは順調なのですね。この歳になると(って、おいくつか存じませんが)親の病気はいろいろでてきますねえ。でも、venerdiさんもたまに帰ってあげないと~。お母様がずっと元気でおられることをお祈りしています。
by けいぞう (2006-12-12 21:21) 

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